1960(昭和45)年に通商産業省(以下、通産省。現・経済産業省)に入省した現役の官僚のFによるものだったこともあった。いわゆる近未来小説だったが、現実の政府プロジェクトの中枢にあり、その情報を踏まえてのものであるだけにリアリティがあった。というよりも、この小説の内容は仔細なデータに基づく予測レポートであったといってもよかった。なぜなら、そのわずか2年前の1973(昭和48)年の中東戦争に端を発するいわゆる「第一次オイルショック」が起こり、石油がなくなることの不安を身をもって体験していたからである。
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太陽光発電
太陽光発電の太陽計画株式会社ホームページ
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この年の10月6日、エジプト、シリアとイスラエルの間で始まった争いは、周辺のアラブ諸国を巻き込んで第四次中東戦争となった。そして、アラブ諸国はイスラエルを支持する国々に対して原油の生産制限をし、原油価格を一気に引き上げた。その結果、それまで1バーレル(160L)あたり2ドル台だった価格は、わずか3ヵ月で5ドル台に急騰した。これが「オイルショック(石油危機)」である。1960年代に月給倍増、賃金倍増と声高らかに「国民所得倍増計画」を掲げて登場した池田内閣の時代から「日本列島改造諭」で全国を空前の開発ブームに巻き込んだ田中内閣の1970年代初期まで、日本の経済成長は極端な右肩上がりだった。いわゆる高度経済成長期である。この成災を支えるため日本政府はエネルギー供給源を石炭から石油に移し、1960年代にはすでに一次エネルギーの70%を石油で占めるという、石油中心のエネルギー政策に転換していた。そこに降って湧いたような「オイルショック」である。このようなこともあり日本は太陽光発電に切り替える準備を始めたのである。